かつてみんなが持っていたもの

学生時代、特に義務教育の頃って所持品に不思議な流行りがあったと思う。気がつくとみんな持ってるみたいな、寝ても覚めても欲しい！と思ってしまうような。あんな焼け付くような物欲が今はもうないので、ちょっとだけ昔に戻ってあの気持ちを味わってみたい気もする。
流行り物の中でも特によく憶えてるのが、レスポのポーチ（ペンケース代わりに使う。たくさん入るのと柄かぶりがないのとで重宝した）と、Tikkyというシャーペンだ。
Tikkyはすごかった。かなりの割合の子が持ってたんじゃないだろうか。私と同年代の人に「ソニプラの、グリップが波打ったシャーペン」と言えば通じると思う。一見何の変哲もない細身のシャープペンなのだが、天下のROTRING製なのでものすごく使いやすいのだ。ほどよい重みと、硬質なのに指先に馴染むグリップ。私もメッキが剥げるまで使った。使いすぎてペン先が緩み、ペンの内部で芯が折れるようになるまで使った。あれから色々文房具は使ってきたけど、デザインと機能性を兼ね備えたシャープペンはあれ以来なかったなと改めて思う。
今PLAZAで売っているのはグリップに無粋なゴムがついてる2だったりRDだったりで、初代じゃないらしい。復刻しないかなあ。そう、物欲を味わいたいというよりは、そこまでの物欲を掻き立てるアイテムに出会いたいだけなのかもしれない。