秋風邪戦記

鼻の風邪には堤防決壊型と断固籠城型があると思う。前者は水っぱなが悪夢のように流れ出る花粉症のようなやつで後者はこれは人間の身体なのかと思うくらい鼻腔が固く閉じる。此度のはもちろん後者。
それに加えていつもは咳といっしょに出てくる痰のカタマリが今回に限って鼻を出口に選んでしまった。それと察したときには結構絶望した。イメージは貧しい国から逃れようと一日に数回しか開かない城門へ殺到する民衆。
鼻から呼気を噴出させて際限なく生産される痰を外に出し、必死に点鼻薬を差し続けた結果、日曜日の夜にようやく鼻呼吸が復活。安堵したのも束の間月曜の朝起きたら案の定鼻が詰まっていたので出社を少し遅らせる。って言ってもやることなんて盛っ大に鼻をかんで少しでも空気と薬が通るようにするだけ。もしかしたら鼓膜なんかもうとっくに破れてるんじゃないだろうか。
この日はどうしても外すことの出来ない発表が午前と午後に二件。メンバーに事情を話してスケジュールをこなしていくものの、時間が経つにつれ「声が」「顔が」「立ち方が」とどんどん心配されだす。最初は笑ってごまかしていたがそうもいかなくなり遂には出る予定のなかった咳までしだして、満場一致で本日休暇と相成ったのでした。
オチません。