ハハキタル

一昨日から昨日にかけて母が来ていました。目的は私の看病…であるはずはなく自身の観劇のためです。「帰るの面倒」と言って先月下旬から三回目です。来すぎです。「何回観てるの?」と尋ねたら「ウヘヘヘヘ」と笑ってごまかされました。でも「初回と千秋楽は絶対観なきゃ」と言ってるあたり私の母です。
さて鼻づまりに悩まされながら微睡む私の携帯に「11時過ぎに着く」という、リカちゃんのような母からのメールが。前日「薬を届けに観劇前に寄る」と言っていたのを「薬ならまだあるからいい」と断ったのになぜ!と憤りながら起きる。
ドアを開けてまず「心配してくれるのは有り難いが子離れしろ!」と怒ったのもスルーして「荷物重い!外歩くと暑いー!」と服を脱ぎ出す母。あと一時間でまた出るんじゃないのか、と唖然としながらももう諦める。寝てていいよ、と言われるがこんな狭い室内で横で暴れられて安眠できるはずもない。仕方ないのでベッドで本を読み始める。
しばらくキッチンをうろついたり自分の鞄の中をごそごそしたりして、ようやく母が観劇に向かった。やっと静かになった、と横になったのも束の間、足に当たる固い物体。何ぞこれ、と起き上がって見てみると母の荷物。お泊まり道具を置いて行く、これが本当の目的だったのでした。机の上には同じく重いと思ったのか41円が置いてあった。そんな変わんないだろ…。
そろそろ帰ってくるかな、と思い始めた22時頃、今度は電話。「ねー、まだ外にいていいー?」と楽しそうな声を聞いてどちらが母親なのかいよいよわからなくなったのでした。
と、たらたら書いてきたのは、最近大宮エリーさんの本を読んで衝撃を受けたから。ここまで本物な人はいねえ。そして、彼女のお母さんも強烈にいとしい。それで何となく。

そして母はいろいろと私の面倒を見たあと、「重いから」と言って自分のパジャマと歯ブラシを置いて帰って行ったのでした。恋人か。また来る気満々じゃないか。