放射線のこと

放射線に関して正しい知識を伝えようとしているサイトは山のようにあるからこちらでは割愛することにして、個人的な経験を少し。
高校大学と物理をやってきたので、放射能には普通の人よりは多少馴染みがあると思う。放射線に初めて触れたのは、おそらく高校で放射性物質を見せてもらってから。普段はもちろん厳重に保管されていて、ほんの少しだけねということでケースから出してもらって見せてもらいました。水面の上を、軌道から飛び出た電子がふっと駆け抜けていくのに何だかよくわからないけど不思議な感銘を受けました。
大学の卒業研究は高温X線回折(一応Wiki)。ある物質に対して角度を変えてX線を当て続けるっていう実験です。内容そのものは正直ほとんど覚えてないけど!実験室に配属されるに際し、放射線作業従事者になるための講習と健康診断を受けたことを、つい最近思い出しました。講習と言っても、規定の条文を輪読するだけのものだったようです(ソース:5年前の私の日記)。それでルクセルバッジをもらって、それで一般の人より年間線量限度がぱーんと上がるんですよ(参考)。それでも、規定とされている100mSVの1/10程度。作業者って言っても、特別なことはない。それくらいなんです。
現状についてはこちらなどと見ていただくにしても、今都内などで測定されている値はμSVという単位です。μというのは、mの10のマイナス3乗、つまり千分の一。不慮の事態に備えて近隣の住民が逃げなければいけないのは当然だけど、首都圏全体がパニックになる必要は絶対にない。少なくとも今の段階では。
正しい情報を得ている人にとってはちゃんと理解できることでも、思い込みや恐怖心に翻弄されてしまうとそうもいかないのかもしれない。知らないから怖いんじゃないのか。ラドン温泉なんてありがたがって行くだろうけど、ラドンだって放射線を出している。ラジウムだってそう。
まず知る努力。いいように煽られて、闇雲に逃げ惑うことだけはしたくない。私は正しく怯えたい。
=追記=
このページが個人的にはとてもお気に入り。