うたつかい2012年4月号

うたつかい -短歌な月刊zine-
ますます分厚くなってゆく、なのにお値段据え置き100円。毎月毎月、頭がさがる思いです。

「都会に住む動物たちのことについて僕らが何を知っているだろう」
曲がり角を直角に曲がり鮫が来る 会釈をしてからまた歩き出す
アイスミルクかき回したら北極の氷の上を滑る白熊
まなうらを泳ぐ魚のありてその淵を出でるを眺めていたり
目を臥せるあなたの顔の上にいま憂いの鳥が羽を広げる
家の薄暗がりに猫を閉じ込めるわたしがここを出て行かぬよう
テーマ詠「音楽」
失ひし恋の手向けに吹き鳴らす鍵盤ハモニカ嵐のごとく

来月のテーマが動物なのに5首も出してしまった。