うたつかい2012年10月号

うたつかい -短歌な月刊zine-
表紙裏のさくらこさんの歌がとても好きです。

「この薬指」
君がわたしの髪を乾かす時に降る遠い記憶のなかの夕立ち
感情線生命線をかい潜り運命線を走る列車よ
ぎんいろの軛(くびき)を抜けば浮き上がる泡よりかるきこの薬指
わたしは確かに優しい人を知っていて今そのひとにひどくあいたい
君がもう呼ぶことのない名を拾う おでこに付けてまた走りだす
テーマ詠「食物」
たましいのおやつのようなわたあめをゆびでつついてひとなつがゆく