歌会たかまがはら2013年6月号でいただいた質問に答えました

先日6月15日、歌会たかまがはら2013年6月号のゲストに呼んでいただきました。

歌会たかまがはら2013年6月号の募集の様子
歌会たかまがはら2013年6月号の選歌の結果

テーマ「酒」で、計246首の短歌を投稿していただきました。本当にどうもありがとうございました。選歌も出演も(飲みながら)楽しませていただきました!
番組内で質問をいただくコーナーがあるのですが、他にもたくさん寄せていただいていたので蛇足かとは思いますがぜんぶ答えてみました。やたらと長いので、質問してくださった方はお名前で検索していただければと思います…!


Q.彩乃さんはいつごろ、どんなきっかけで短歌を詠むようになりましたか。(こはぎさん)
Q.短歌を詠みはじめたきっかけを教えてください。 (琴平葉一さん)
Q.短歌を詠み始めたのは何歳の時ですか? 始めたきっかけも聞いてみたいです。(黒崎立体さん)

A.短歌を始めたのは2010年2月、25歳からです。大学のころから読み専(歌集をたまに手に取って読む程度。短歌の投稿番組などはまったく知らない状態)ではあったのですが、その前の年に笹井さんが亡くなっていたことを知って、それから自分でも詠むようになりました。きっかけというには微妙なのですが、あれがきっかけだったのかなと思います。


Q.飯田彩乃さんこんばんは。飯田彩乃さんは、未来の黒瀬珂瀾欄の立ち上げメンバーでいらっしゃいますが、数ある結社の中で、未来に入会された理由、そして、黒瀬珂瀾欄という新しい選者欄を選ばれた理由を教えてください。また、結社に入会して、何か変わられたことなどありましたらお聞かせください。(龍翔さん)
Q.あやのさんは結社「未来」に所属されているとのことですが、未来に入ろうと決めた理由を聞いてみたいです。(黒崎立体さん)
Q.未来に入ったきっかけは?(嶋田さくらこさん)

A.結社に入った理由は
・芸事には師匠が必要なタイプとそうでないタイプがいると思いますが、短歌もきっとそうで、わたしは前者だなと思ったこと。
・人に教えることがあるときに、人から教わった経験は必要なのではないかと思ったこと。
・番組などへの投稿をやめるのと前後して一首ではなく連作での世界を編みあげていきたいと思ったこと。
の3つで、未来を選んだ理由が
・新選歌欄ができるタイミングだったこと。
・師事したいと思える方がいらっしゃったこと。
・取り寄せた見本誌のなかでフォントと文字組がいちばん美しかったこと。
です。
黒瀬欄を選んだのは、選歌欄ができると知った瞬間に「あ、ここだ」と思ってしまったので、理由というよりは直感です。


Q.未来に入ってよかったと思っていること、あるいはよくなかったと感じていること、なんらかあれば聞きたいです。 (むしたけさん)
Q.未来に入ってよかったこと(嶋田さくらこさん)

A.入ってよかったことは、大滝和子さんや紀野恵さんなどもはや自分の中で勝手に伝説になりかけている好きな歌人の最新作を毎月読めること。
選歌欄という基盤を持てること、そこにメンバーがいること(ちょっとクサいですが、クラスメイトという感覚に近いです)。
選者の方を自分の歌の第一の読者にできるということ。
よくなかったことは思いつかないのですが、先日かばんの三十周年イベントに行ったとき、年齢層の違いというのはひしひしと感じました。


Q.結社に所属するというのは、どんな感じですか? 未来短歌会の雰囲気を教えてください。(麻倉ゆえさん)

A.がちがちに「所属している!」というふうに感じてはいません。歌を作るうえでのスタンスも、自分としては変えているつもりはないです。ゆるやかに繋がっているような感覚があります。
黒瀬欄は「××したらいけない」ということは全くなく、むしろ自由にどんどんおやりなさいと言われている気がします。
未来全体の批評会など、選者の方やさまざまな年齢層の方が集まる場に行くと、確かにここは歴史の流れの中なんだなということを実感します。


Q.黒瀬さんってどんな人ですか?今までどんなアドバイスがありましたか?(嶋田さくらこさん)

A.最初にお会いしてから一年と少し時点での印象について
・選歌欄における大黒柱であり、感覚としては担任の先生。さりげなく全体に目を配っていただいているなと。
・お酒をよく飲まれる、たんまり飲んで福岡まで帰られるので東京での別れ際はちょっと不安になる。
アドバイスについて
・選歌欄での歌会はあまり開けていないので直接ではないのですが、未来の選歌後記で二月に一度くらいの割合でコメントやアドバイスをいただいています。また、たまに添削も。
・これまでいただいたアドバイスでは、「近代短歌を読みなさい」というのと、「使う語彙の種類が統一されすぎている」というアドバイスで背筋が伸びました。いただいたアドバイスをこのブログにもメモしたりしているので、興味があったら見てみてください。(「彩」というカテゴリを選択すると探しやすくなると思います)


Q.短歌をしている上で、苦しいこと、楽しいことを教えてください。作歌の発想は、どんなふうに得ていますか。(さとうはなさん)

A.ふだんは苦しいことは大してないのですが、作品集をまとめるときに自分の過去の短歌を見返して取捨選択する作業はつらかったです。あ、やっぱり締め切り間際も辛いです。
楽しいのは、自分の歌が意外な広がりをもって受け容れられていく瞬間です。短歌の醍醐味だと思います。
作歌の発想は、何気ない風景や周りの人の言葉や動き、本や絵からいただいています。よく詰まるとパソコンに向かっちゃうんですけど、それよりは体を外に連れて行ってあげた方が歌はできる気がします。


Q.豊富な語彙を持っていらっしゃるなあと感じるのですが、どのようなところで手に入れているのでしょうか。(たたさん)
Q.リチェルカーレ、ウムラウトニライカナイ…彩乃さんの短歌にはちょっと聞き慣れないけれど印象的なカタカナの言葉が登場します。その世界観にいつも引き込まれるのですが、どういったところからこの言葉たちは選ばれているのでしょう?元からボキャブラリーが豊富なのですか?(ああ、なんか私この聞き方失礼かも…ごめんなさい 滝汗)(嵯野みどりはさん)

A.やっぱりどこかで見たり聞いたりというところからだと思います。自分のものにするために、使うまでには時間がかかっているような気が。
あと、他言語の単語で気に入ったものはスクラップしたりしています。なかなか使う機会がありませんが。


Q.うたつかいで短歌meetsシリーズ始まりましたね。楽しませていただいてます!あの文章はフィクションですか?実話ですか?
それと同じく短歌は実話でつくる派ですか?フィクションでつくる派ですか?よろしくお願いします◎(なるなるさん)

A.meets読んでいただきありがとうございます! あの文章は完全にフィクションです。
短歌は半々でしょうか。風景が歌をくれることもあれば、頭で考えて歌を作ることもあります。最近は曲や映像から作るのに挑戦してます。


Q.歌集、歌人に限らず強く影響を受けた作品、人物を教えてください。(木下龍也さん)

A.創作物という範疇でお答えすると、谷崎潤一郎『春琴抄』、アゴタ・クリストフ悪童日記』、原民喜『夏の花』、ポール・オースター『最後の物たちの国で』あたりは十代で読んで影響を受けたと思います。


Q.飯田彩乃さんの作品は幻想的で、余韻があってとても好きです。きっとたくさんの文学作品を読まれていることと思います。
何かもし「コレ読んどけ!」っていうものがあればジャンル問わずひとつでいいので教えて下さい。(進撃の巨人以外で…)(西村湯呑さん)

A.どうもありがとうございます。読書は経験値にはならないというのが持論なのですが、こう言っていただけるのは嬉しいことですね。
木下さんの質問で本は挙げたのでこちらではマンガで。ブノワ・ペーターズ『闇の国々』、吟鳥子『架カル空ノ音』は自信をもっておすすめできます(前者はお高いのでぜひ図書館などで…)。


Q.ご自分ならではの「スパイス」とはなんだと思いますか?(rayさん)

A.模索中です。理系の学科を卒業しているので、その辺りの視点をもっとと思いますが、あまり有効活用できていないような気がしますし、逆に理詰めが歌をだめにしているような気もします。


Q.好きな歌集を1冊といわず3冊くらい教えてください(ユキノ進さん)

A.笹原玉子『われらみな神話の住人』、佐藤弓生『世界が海におおわれるまで』、錦見映理子『ガーデニア・ガーデン』


Q.古今東西を問わず、お好きな短歌を一首上げてください。(住友秀夫さん)

A.そらふかくきこえるよほらきこえるよわたし耳から凍りつきそう(東直子回転ドアは、順番に』)
はじめて短歌で泣いた歌です。


Q.東直子さん以外で好きな歌人さんはだれですか?(嶋田さくらこさん)

A.たくさんいらっしゃいますが…服部真里子さんと平岡直子さんが好きです。


Q.飯田彩乃さんの一押しのお酒はありますか?(日本酒がいけるのでしたら是非日本酒で、もし日本酒が無理でしたらそれ以外で)(サカイミチカさん)
Q.テーマが「酒」ということで、いちばん好きなお酒を教えてください。(黒崎立体さん)
Q.好きなお酒は何ですか?(泳二さん)

A.お酒は好きなんですが、日本酒も焼酎もだめというハンパな酒好きです。すみません。作るのを見ているのが楽しいので、いちばん好きなのはカクテルかも。冬にホット・バタード・ラム・カウで温まるのが好きです。見て楽しいお酒はボイラーメーカー。


Q.おすすめのおつまみがあれば、ぜひ教えてください!(ななこさん)

A.最近のお気に入りは自分でつくる混ぜご飯(いつかTwitterでつぶやいためんつゆ+あげ玉+にんにく)。買うのならうずらの煮玉子が好きです。


Q.酔ったフリをしたことはありますか?(さとうすずすえさん)

A.する前にたいてい酔っ払っています。


Q.お酒の上での最悪の失敗談をお聞かせください。(住友秀夫さん)

A.いろいろありますが、人の家でお手洗いに閉じこもったのは地味に最低だったと思います。


Q.飯田さんもすごく呑めそうな印象(まったく勝手な)がございます。ラインナップを教えてください。
私は、夕飯時に、ビール飲料350缶→デイリーなワイン1/2本→ホットの緑茶割コップ一杯→ここら辺で眠くなるので寝酒へ。ウイスキーの山崎(高いから50mくらいをストレートでちびちび。ビール飲料350缶をチェイサーに)。ご機嫌になって、ちょっと人恋しくなって、寝る。

A.お店だとビール何杯かのあとにカクテルか梅酒、もしくはワインです。
こう見えて自宅ではあまり飲まないようにしているので、ビール一缶か缶チューハイ一本で終わってしまいますね。自宅に常備しているのは水と野菜ジュースです。


Q.「酔っちゃった☆」とかわいく言いたいのですが、どうすればいいでしょうか。お手本をみせていただけたら嬉しいです。(じゃこさん)

A.今度お会いするまでに練習して耳元で囁けるようにしておきます!


Q.お酒を飲んでいる際に歌を作ったりすることはありますか?(希さん)
Q.お酒飲みながら短歌作れますか?(嶋田さくらこさん)

A.あんまり作れないともういいやって飲みだしちゃうんですけど、まあできませんよね。そのまま寝ますよね。


Q.短歌を続けていくうえでの「ライバル」みたいな人がいたら教えてください。(ちょろ玉さん)

A.同年代で歌歴が同じくらいで実力のある人はみんな勝手にライバルに見えます。敵視というわけじゃなくて、いてくれて嬉しいありがとう燃える!って感じです。


Q.ちょろ玉にとってのあやのちゃんは時に小悪魔な高校生なのですが、飯田彩乃さんはどんなあやのちゃんになりたいですか?(ちょろ玉さん)

A.小悪魔にはもうなれそうにないですが…人に恥じないかっこよさを持っていたいとは思っています。カッコカワイイ宣言。


Q.どんな子どもでしたか?中高生の時はどんな生徒でしたか?(たえなかすずさん)

A.本を読みながら道を歩いていて、通りすがりの人に「二宮金次郎…」って呟かれたことがあります。
 中高生のときはすれっからしでした。


Q.お気に入りのドSエピソードがあれば聞かせてください。(二葉吾郎さん)

A.ねえよ。(ドSっぽく)


Q.彩乃たん、たかまがはらご出演おめでとうございます!短歌な質問をびしびししてやるぜと思ったのですが何も出てこない!なんかもう、とにかく好きです!ファンです!飲みに行きましょうね!(倉野いちさん)

A.なんだこれ!ありがとう!飲もうぜ!!


Q.ちゃんとご飯食べていますか。(岡野大嗣さん)

A.食べてますよ、お父さん。


Q.佐々木あららに一言(肩固めさん)

A.いままで接点がないんですが、お会いしてみたい方のひとりです。


Q.どうしてカエルなのにカッパを着ているのですか?(焼きみかんさん)

A.カエルだっておしゃれがしたい!(※ご質問をいただいたときはカッパを着たアイコンでした)


Q.フロッグスタイルのアイコンがかわいい彩乃さん。リアルなカエルや、他のカエルキャラ(けろっぴ、カーミット)もお好きですか?(嵯野みどりはさん)

A.物によります。リアルカエルフィギュアとかは好きなんですが、けろっぴやカーミットはそんなに。キャラものよりカエルが好きなのかもしれません。


Q.これは質問ではないのですが、好きです。←(嵯野みどりはさん)

A.ありがとうございます!!


Q.飯田は何のために歌を詠うのかを教えて下さい。(村田馨さん)

A.わたしというフィルター越しに見える世界を、短歌というかたちで再構築して他の人にも見せてみたいからです。
(……あえて突っ込みません!)


Q.今後の活動について教えてください。(キョースケさん)

A.ふだんの活動に加えて、なにか外に向かってやっていきたいと思っています。が、ふだんの活動だけで手いっぱいになってしまう気も…がんばります。


Q.『眩暈リチェルカーレ』 について語って欲しいです(飯田和馬さん)

A.なんというぶっこみ。いや、きちんと語ったことはなかったと思うので、ありがとうございます。
Twitterなどで歌を引いていただくことがたまにあるのですが、今のままだと出典がわからず表記が曖昧になることが気になっていて、あと、過去歌でいいから何か出してと言われるときに、良い評価をいただいたずっと前の歌を引っ張りだすのが、自分であまり気に入っていなくて。
未来に入ったこともきっかけとして、以前の自分の歌をぜんぶ切り捨てるつもりで、卒業文集という感じで作った作品集です。最初期の歌なんか何年後にはもう見られもしなくなっているだろうから、出すなら今だと思いました。
なので多めに刷ったと思っていた部数が捌けると思っていなかったし、再版すると思っていなかったし、大変ありがたいことでありますが、あんな拙い作品ばかりで申し訳ないなあと思っていたりもします。もっといい歌を作るぞという決意の現れとして受け取っていただければ。
あと、歌集という言い方をしていただいていますが、自分から「歌集」と呼んだことはなかったりします。あくまで「初期作品集」ということで。

以下、うずめさんに前もっていただいていた質問と答え↓

・どのような内容の歌集なのですか?
わたしが短歌をはじめた2010年から二年半のあいだに作った133首を収録した冊子です。

・おすすめポイントはどこですか?
立派な栞文です。

・苦労したところはありますか?
自分の過去の歌を見返しつつ編集するという作業がこんなに苦しいものだとは思いませんでした。
歌を見たくないあまり半目で作業していたらページ組を間違えました。

・歌集の購入方法はありますか?
こちらからどうぞ。


以上です。どうもありがとうございました。