第二十四回歌壇賞（候補作）

彩

「歌壇」2013年2月号に、第二十四回歌壇賞候補作として「長ぐつに住むさかな」（三十首）を掲載していただきました。

今にして見ると拙いし、粗の目立つ作品だとは思いますが、予選通過じたいが初めてなのでまずはそのことを喜ばしく思います。作品が載っているページもそうなのですが、目次に名前があることにとても嬉しさを感じました。東直子さんから点をいただけたこともうれしいです。
これはイタリアを旅行した際に作った一連なのですが、春先にわたしが家でめそめそしていなければ旅行の話もなく、そもそも十年前の家族旅行でわたしが体調を崩していなければ行き先もイタリアにならなかったので、ふしぎなものだなあとしみじみ思います。
旅行中から歌を作りはじめ、〆切までの三週間でどうにかまとめ上げたものなので、質はまだまだ上げられるという確信があります。原稿用紙を抱えて家に行ったわたしを迎えてくれて、作品を添削してくれた某氏、どうもありがとう。できないできないと言いながら一首直して、見せて、だめと言われてまた直す、のやりとりは夜中までかかって辛かったけど、とても楽しかった。
受賞は、未来で同じ選歌欄に所属している服部真里子さん。「町」で拝見したときからのファンです。受賞作も素晴らしい連作で、彼女の受賞はほんとうに嬉しいです。おめでとうございます！