第二十五回歌壇賞(候補作)

「歌壇」2014年2月号に、第二十五回歌壇賞候補作として「千の花(ミルフィオリ)」(三十首)を掲載していただきました。

得点は道浦母都子さんからの二点と、今野寿美さんからの一点でした。たぶんみなさんとても気遣ってくださってあんまりおめでとうとか言われないんですけど、言われても言われなくてもありがとうって思うので、ありがとうございます。笑

受賞はわせたんの佐伯紺さん。去年の歌壇賞授賞式の二次会で、東先生と並んでいるところで初めてお会いしました。そして次席は、わたしの宿命のライバル・ユキノ進さん*1。おめでとうございます!

兄についてのこの連作は、つくるのに勇気が必要でした。家族に見せるのが怖かったからです。自分がふだん考えていることを親には知られたくないという気持ちがわたしにはわりとあって、まあ親子なんてたいていそういうものだとは思いますが、兄に関してはその傾向が特に強くありました。日常的に話題にあがることもないですし。
雑誌は発売日に妹が買って帰ってくれたようで、母から電話がかかってきたんですけど、その内容というのが「感想は東先生の選評と同じ。受賞した佐伯さんの作品はすごかった」という…わりと身も蓋もない…。

今回、選考会のなかできちんと選評をいただけたのがとても有り難かったです。当たり前ですが、すべてが的確すぎました。
ほか、東直子さんにも珂瀾さんにもお会いしたときに厳しい指摘やなアドヴァイスをたくさんいただいて、はっとさせられたり意外に思ったりしながら、同じ方に歌をずっと見ていただけることの幸せを噛みしめました。

出したあとにやっちゃったなあと思ったのは、二回出てくる「桟橋」のうちひとつが「棧橋」になってしまっていたことです。このときは一回手書きをしたあと直した原稿をプリントアウトして応募したんですが、手書きをしても気づかなかった…。最初の変換で「棧橋」になっちゃったのは同人誌の話をしたからだと思います。

いつものように、作品を見てくれた某氏、ありがとう。「あの連作で賞を獲らなくてよかった」という言葉にとても励まされます。

*1:去年の戦績がドロー