うたつかい2014年1月号

うたつかい -短歌な月刊zine-

「季節ごとに君が抱える野の花を背骨のように大事にしたい」
金魚草せなかに隠し良心が疼きだすのを確かめてゐる
嬰児(みどりご)はまろき瞳でしんと見るタイム、セージ、ローズマリー
あらあらと女郎花折る姉さんは誰にもこはず生きたいのです
群雨は咲き乱れゐる薔薇に降りあつといふ間に死なせてしまふ
アカシアに正や偽はなく樹上にて俯く花の臈たきことよ


テーマ詠「本」
黒き文字が老眼鏡を零れ落ち手指のまにまに艶めいてゆく

すべて名前の折り句(タイトル除く。折り句ではある)になってます。文字数の多い名前でやるもんじゃないなと思いました。3人が9文字って…。