放射線のこと、つづき

先日は、「まずは知る努力」と書きました。普通の人がこれを持つことが必要な一方で、マスコミにも「知らせる努力、及び責任」というものが必要であると思います。しかし今のメディアはこの責任を十分に果たせていないのではと感じています。
各メディア、総力を挙げて取材をし、報道をしているでしょう。でもその伝え方に問題があるように思います。注意喚起が目的なのか、どうしても危機感を煽る見出しやフレーズが目につくのです。「放射能が通常の100倍」、これは確かに事実です。ただここできちんと伝えなくてはならないのは「この値は健康には影響しない」ということだったはずです。メディアとしても伝えたかったことは明らかに後者であることは分かりますが、いくら言ってもそれは後出しジャンケンのように見えてしまう。前者のファーストインプレッションは衝撃的すぎるから。
日本語しかしゃべれない人が突如英語で道案内をされたら「なんだこいつは!宇宙人か!?」とびっくりしてしまうと思います。「あ、この人は英語っていう言語でしゃべってるんだな」という認識があるだけで、目の前の相手の有り様はずいぶん違ってくるはずです。そう思って耳を傾けていれば、もしかしたら行き先だって理解できるかもしれない。
知は力なり、知っているということはそれだけで力です。どうか正しい理解がすみずみにまで行き渡りますよう。