うたつかい2013年2月号

うたつかい -短歌な月刊zine-

「光る駅」
わたしたちは冬に生まれてひややかな指に触れないようにふれあう
ポケットまでは追いかけてこない手のひらを追いそうになり しまう手のひら
耳もとで何度も呼んでいるうちにあなたの名前を忘れてしまう
光る駅に近づいてゆくわたしたちにはたらいている斥力がある
つむじ風のように頭(こうべ)を抱(いだ)かれてそれから後のことは知らない
テーマ詠「告白」
人造湖、蛇の心音、エコラリア、届かないからあなたは好きだ